塩害って?
塩害とは、土壌に多量の塩分が蓄積されることにより、植物の生長が阻害されたり、植物が枯死したりすることを意味します。
東日本大震災では想定外ともいえる大規模の津波が発生し、それにより沿岸部に甚大な冠水とそれに伴う塩害の被害がもたらされました。とくに宮城県では、1万5000ha(東京ドーム約3000個分)に及ぶ冠水・塩害被害が報告されています。
塩害とは、一般的には、高潮による海水の浸入や、塩分を多量に含む風、あるいは、干魃(かんばつ)などで土壌中の塩分濃度が高まることで発生します。土壌に多量の塩分が蓄積されることにより、植物の生長が阻害されたり、植物が枯死したりすることを意味します。塩分(NaCl)の成分である塩素とナトリウムのそれぞれが違った被害を厄介な面もあります。
この震災における大規模の塩害が、被災地域の農地・商業地・宅地における植物群にどれほど深刻な影響を及ぼしているかは言うに及びません。除塩作業を行えば、新たに植物は育ちますが、除塩作業を行わずに、造園やガーデニングを行うと、直ぐにまた枯れてしまう恐れがあります。塩害の情報は、あまり知られていないので、被災地がせっかく復興して、新たに家を建て、庭が復活しつつある状況で、緑が再び枯れてしまうことは、被災者の心を新たに傷付けてしまいます。
宮城県石巻市
生垣が塩害により全滅した事例
宮城県石巻市
さまざまな樹種が塩害で枯れた事例
宮城県石巻市
90%近くが枯死したが僅かに生きている事例
宮城県石巻市
塩害を受けた重症の事例
宮城県石巻市
位置のよる塩害程度の違い
宮城県石巻市
小さな差で塩害程度が違う事例
宮城県女川町
津波で全て流された地区にたたずむ枯れた樹木
宮城県東松島市
これは震災後植栽されたサクラです。しかしもう枯れています
岩手県陸前高田市
有名な奇跡の一本松。昨年枯れたのち、今はモニュメントとして復活しています